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旭川地方裁判所 昭和55年(わ)407号 判決 1981年2月26日

裁判所書記官

吉川寿紘

本籍

北海道紋別市弁天町二丁目七二番地の二

住居

右同所

漁業

竹本弘光

昭和九年四月九日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官別府英明出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年及び罰金九〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、紋別市弁天町二丁目七二番地の二において、ずわいがにかご漁業を経営しているものであるが、所得税を免れようと企て、売上収入の一部を除外し、架空経費を計上するなどの方法により所得を秘匿し、

第一  昭和五二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際の総所得金額が一億二、九九六万一、五三二円であり、これに対する所得税額が六、三一四万七、九〇〇円であるのにかかわらず、昭和五三年三月一三日、同市南が丘町二丁目一番四四号所在の所轄税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は六、八八四万五、四〇五円であり、これに対する所得税額は二、六七二万二、八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告人の同事業年度の正規の所得税額と申告税額との差額三、六四二万五、一〇〇円の所得税を免れ、

第二  昭和五三年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、実際の総所得金額が三、七四三万三、二三三円であり、これに対する所得税額が一、五〇一万三、三〇〇円であるのにかかわらず、昭和五四年三月一五日、前記紋別税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は二、四六三万三、八八五円であり、これに対する所得税額は七九三万五、二〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により被告人の同事業年度の正規の所得税額と申告税額との差額七〇七万八、一〇〇円の所得税を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  大蔵事務官作成の被告人に対する質問てん末書一〇通

一  被告人作成の上申書

一  被告人の検察官に対する供述調書

判示第一、第二の各事実につき

一  大蔵事務官作成の昭和五五年二月五日付(二通)、同年二七日付、同年八月二二日付(二通)及び同年一〇月一六日付各調査事績報告書

一  検察事務官作成の報告書

一  押収してある所得税の確定申告書一綴(昭和五六年押第一二号の1)

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲六三号証)

一  押収してある昭和五二年度原料台帳一冊(前同押号の2)、昭和五二年度原料仕入票一綴(前同押号の3)、昭和五二年度銀行勘定帳一冊(前同押号の4)、昭和五二年度仕入帳一冊(前同押号の6)、昭和五二年度買掛帳一冊(前同押号の7)、浜張一冊(前同押号の8)、請求書綴二綴(前同押号の9、10)、昭和五二年度買掛金元帳一冊(前同押号の11)、昭和五二年度一覧式総勘定元帳及び仕訳日記帳一冊(前同押号の14)、及び昭和五二年度総勘定元帳一冊(前同押号の15)

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の同年一一月二六日付調査事績報告書

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(検甲六四号証)

一  押収してある昭和五三年度仕入帳一冊(前同押号の5)、昭和五三年度一覧式総勘定元帳一冊(前同押号の12)、及び昭和五三年度総勘定元帳二冊(前同押号の13、16)

(法令の適用)

一  判示第一、第二の各所為

各所得税法二三八条一項(各懲役刑と罰金刑を併科)

一  併合罪の処理 刑法四五条前段

懲役刑につき四七条本文、一〇条(犯情の重い判示第一の罪の刑に加重)

罰金刑につき四八条二項

一  労役場留置 刑法一八条

一  執行猶予 懲役刑につき刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 福島裕)

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